果てしなく続く海岸線をスポーツカーが走っていた。
これ以外にあの国に行く道が無いにも関わらず他の道を作ろうとしないのも肯ける。
その車窓から見えるやしの木や海の絶景に嫌悪感を抱くものはいないだろう。
運転手も鼻歌を歌い、サングラスいっぱいに熱い日差しを浴びながらいつもより少しだけスピード出す。
心も高鳴る。
さあ、入国調査もせず直接入れるという“いわく付きの国”へ。


Z hide unbelievable...



整備された道に着いたと思うと直ぐに国に到着した。
旅行者インフォメーションと書かれた看板を掲げているところに入ると国の地図を買った。
話を聞くとこの国は定住というものは無く警察も何も無い。ただこの場所に勝手に人が住んでいるだけ、だそうだ。

私はある使命を持って使命を全うするためにそこへ行くのだ。
あの国では虐殺が行われていて、ある少年が月10人は殺している。
私は国王陛下からその話を伺った瞬間一切を了解した。
『私の使命はそんな狂った、そして哀れな少年を救うことだ。』と。
そして私は旅立つのだ。


・・・俺は国王に手紙を置いておいた。
建前だ。
というと少々語弊がある。
確かに俺がここに来た一番の理由は旅行である。
目の前いっぱいに広がる美しい海岸線。
その海で取れる旨い料理。
行ってみたいと思ってたところに国王からそんな話がありゃあ行くっきゃねぇ。
だけどそれだけじゃないぜ?
本当にガキが殺生してるんだったらそれは大人として粛清しないとな。
とりあえずその辺の太ったオバハン・・・恰幅のよい淑女にお話を伺った。

「しばらくここに住んでみたらどう?そうすれば会えると思うわ」

空は蒼く済んでいた。
時々来る強い風は海辺の国ということを安易に想像させる。

「空を飛んだり、悪人を倒したりといろいろ伝説になってるわ。ここから少し戻ったところに石碑があったでしょう?」

そんなん知るか。(笑)

「すみません、気づきませんでした。」
「そう、じゃあ戻ってみるといいわ。そこに彫ってある少年が伝説そのもの。でも最近は『天使を狩る』とか言う馬鹿な連中がいてねぇ。還ってきたものはいないわ。」






どうやら話は繋がっているらしい。
毎月のように人を殺してるのは少年の姿をした天使で、殺しに来た奴を返り討ちにしてるだけ。
そう考えると辻褄が合う。
だがこんな話・・・・。





























信じるかバーカ。






彼は戻って石碑を数秒見た後早々とホテルに向かい、直ぐにレポートを書きはじめた。
いかにも高価そうな万年筆を胸ポケットから取り出した。
黒いボディにペン先は純金で作られている。
そしてボディに国の象徴のライオンをモチーフにした絵が彫られている。


ある淑女に聞いたところ、そんなことはない。あるとしたら神話となっている天使が最近増えたという天使を狩り
に来た男たちが殺されているからそれじゃないか。という。
他の人に当たっても同じような答えしか返ってこない。これらだけではなんとも言えないが天使というものが実在するとは考えにくい。
あと1週ほど遊ん


そこまで書いて彼は「遊ん」という文字を消しゴムで消すと「調査」に替えた。
そして続けた。


・・・調査を行った後、一切情報が得られない場合は偽と判断して撤収するつもりである。







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