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十字に吊り下げられたひとりの少年がいた。
顔は美しく、それだけでは性別の判断は付かない。
ただ、逆さづりにされ、何も着ていない。
背中からは羽根が生えていた。
それは純白でシルクかなにかで編んであるのではないかと思うほどだ。
少年はうつむいたまま動かない。

V 儀式

「・・・を受け入れるか。」

という問いが聞こえた。
老いた声だった。
少年は震えるような声で

「はい。」

といった。

「もう一度問う。」

声は同じ事を繰り返した。

「はい。」

今度ははっきりと言った。
覚悟を決めたようだ。

「よかろう」

すると声の主が姿を現した。
やはり姿は老いており、だが風格があった。

老人が顎で合図をすると松明を持った男が二人姿を現した。
男は少年のほうへ歩んで行った。
そして松明を少年の翼につけた。
紅蓮の焔は翼を喰らい紅は黒へと移ろう。

―少年の悲鳴だけがこだました。





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